パートから正社員への登用「正社員登用制度」って?
2015/11/06
パートで働いている方の中には、正社員を目指している方もいることでしょう。そんな方たちのために「正社員登用制度」という仕組みがあるのをご存知でしょうか?この仕組みは、小売・接客業をはじめ多くの業界で取り入れられています。ここでは、正社員登用制度についてご紹介します。
1.正社員登用制度について
正社員登用制度とは、パートやアルバイト、契約社員といった雇用形態から正社員へ転換する制度です。パートで実務経験を積んでいるため、正社員になった際にも経験を活かして働くことができます。
実際に正社員として雇用されるためには、企業があらかじめ設けた昇級試験合格を求められる場合があります。実務に関する知識を深めることはもちろん、仕事場で必要なスキルや能力などが求められる基準をクリアしているか確認をするためです。
正社員登用制度はどこでも導入しているわけではなく、昇格基準も企業により異なります。従業員が少ない企業の場合は、試験がなく正社員として雇用されることもありますし、一方では、昇格の基準が非常に厳しい場合もあります。将来的に正社員になることを考えている人は、昇格の基準などをしっかりと調べておくことが大切です。
正社員登用制度の有無は、基本的に求人内容やWEBサイトなどに記載されています。採用担当者に直接聞くと、より明確な昇格基準を把握できるでしょう。
2.正社員登用制度の現状
正社員登用制度は年々変化を遂げています。たとえば、スーパーなどの小売業では、主婦のパートを積極的に正社員にしようとする企業が増えています。これは、正社員のほうが安定した仕事を任せることができるからという理由が挙げられます。たとえ短い時間であっても、決められた仕事をしっかりとこなしてくれるという安心感から、主婦のパートを大きな戦力として見る企業が多いようです。
個人企業はもちろん、大企業でもパートの正社員化に取り組んでいます。実際に、経験豊富なパート従業員を正社員として雇用したことで利益アップに成功したところもあります。なかには1万人超のパート・アルバイト従業員を正社員雇用に切り替える企業もあるなど、短時間労働者の正社員化に前向きな行動が見られるようになっています。
3.正社員になるためのポイント
正社員登用制度があるからといって、希望者全員が正社員になれるわけではありません。では、どこがポイントになるのでしょうか?
まずは、年齢や職務経験、資格など正社員の基準をクリアしていることが前提になります。さらに、自分のスキルが会社の求めるレベルに達しているか、また、その会社の方針等を理解しそれに準じて仕事に取り組むことができるのかなどを、改めて考えてみましょう。
現場での評価も昇格基準に大きく関係します。向上心を持って仕事にあたっているか、新しい物事に対してチャレンジ精神を持って取り組めているか、といったことが評価のポイントになるでしょう。
正社員として働くことになれば、パート以上に高いスキルや責任感が求められます。会社の目標を理解し、それに自分が貢献できるような働き方を考えていかなければなりません。そのため、「ただ働く時間帯が変わっただけ」という意識ではなく、正社員として働くことの意識改革をする必要があります。「時給に見合った仕事」という考え方よりも、「企業のために自分がどんな戦力になれるのか」を考えることが大切なのです。
正社員になるためには、企業側が雇用したくなるような人材になることが重要なポイントです。そのため、安定して高いパフォーマンスが発揮できるよう、普段から意識して働きましょう。
4.最後に
新規雇用と比べ、あらかじめスキルや経験を備えているパートが正社員になることについて、企業は即戦力性を期待することができるのです。家事や子育てに忙しく、まだパートとしてしか働けないけど、子どもが成長し手が空き始めたら正社員として働きたい人は、パート仕事を探す際に「正社員登用制度」がある企業を探してみてはいかがでしょうか。