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知っておきたい パートの労災保険

2015/07/08

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「労災保険」についてご存知でしょうか?保険の名前は聞いたことがあるけど、適用対象や保険の内容など詳しいことは知らない、という方もいらっしゃると思います。しかし、労災保険は雇用され働く上で被る怪我や病気にかかる重要な保険なので、頭に入れて置く必要があります。

ここでは、労災保険の概要や適用対象、給付申請の手続きを中心にご紹介します。

1.労災保険とは

労働契約を結ぶ際、一般的には契約内容とともに労災保険についての説明を受けることになります。労災保険とは、労働中にトラブルや事故に巻き込まれ怪我を負った場合に、金銭が支払われる制度です。仕事中はもちろん、通勤時の事象についても保険が適用されるため、交通事故に巻き込まれた場合も金銭を受給できます。

労災保険は、目に見える怪我のほか、仕事が原因で健康状態に異常が発生した場合にも適用されます。この健康異常には、有害物質を扱う工場での作業による身体影響などです。生活に支障をきたすような後遺障害が残る場合にも、労災保険によって給付を受けることができます。

また、労災保険は、怪我や病気になったときだけでなく、死亡した際にも適用されます。この場合は、労働者の遺族に対して支払われることになります。万が一の事故に見舞われてしまったときにも、残された家族がある程度安定した生活を保てるような仕組みとなっているのです。

2.パートに労災保険は適用されるのか?

正社員として働く場合は労災保険に加入することになりますが、パートの場合はどうなるのでしょうか?

労災保険は、個人ごとの加入ではなく事業所ごとの加入であり、その事業所で働く賃金労働者全てに適用されます。つまり、正社員のみならずパートやアルバイトにも適用されるのです。会社に雇用された時点で労災保険が適用されるので、入社後に特別な手続きは必要ありません。また、保険料は全て事業主負担であるため、給料から差し引かれることもありません。さらに、保険加入からの期間は関係ないため、万が一、雇用当日に事故に見舞われた場合にも保険は適用されます。

短時間でしか働かないからと労災保険を気にかけない方もいるかもしれませんが、この機会によく覚えておきましょう。

3.パートの仕事中に怪我をした場合

パートの仕事中に怪我をした場合、怪我の内容によって手続きの方法や手順は異なります。万が一の時を想定し、必要な書類や対応方法をご紹介します。

通常の場合、療養(補償)給付を受けるために、各種必要な書類を労働基準監督署に提出する必要があります。業務中の災害に関しては「療養補償給付たる療養の給付請求書」が必要となり、通勤時の事象であれば「療養給付たる療養の給付請求書」と呼ばれる請求書を作成します。この時、各請求書を、病院を通して提出する必要があります。

ただし、一般的には自分で行うのではなく、会社の指示に従うのがベターです。事故・怪我の内容や、どういった経緯で労災保険を利用することになったかによって、提出する書類が異なるからです。会社が代筆する場合もありますが、より正確な事故・怪我状況を説明するためにも、会社の指示に沿って本人が書くようにしましょう。

事故に遭った際には動揺するかもしれませんが、正確な情報の記録のためにも、冷静に原因や怪我の状況を伝えることが大切です。事故や病気に気を付けることが第一ですが、いざという時のためにも、どういった流れで手続きが行われるのかをきちんと把握しておくとよいでしょう。

4.最後に

正社員でもパートでも、労災保険の適用対象となります。そのことを知らず対処すると、余計な費用や労力がかかるかもしれません。仕事中や出勤中、職場からの帰宅中などに事故に遭ったときや、仕事が原因で病気になったときなどは、自分だけで解決しようとせず、まずは会社に相談しましょう。

●「労災保険とは」労災保険情報センター
HP:http://www.rousai-ric.or.jp/tabid/60/Default.aspx
●「労働保険制度(制度紹介・手続き案内)」厚生労働省
HP:http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/hoken/980916_1.html