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社会保険への加入ルールが変わる!?「106万円の壁」って何?

2016/10/06

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2016年10月から、主にパート社員やアルバイト社員に対する社会保険の適用基準が拡大されます。これまで正社員の夫を持つ主婦(夫)が、年収130万円を超えた場合に発生していた社会保険料の支払い義務、いわゆる「130万円の壁」と言われてきた基準が106万円に緩和されるのです。

では具体的に何が変わり、どのような影響があるのかをご紹介します。

 

社会保険加入の新ルール

パートやアルバイトの社会保険の加入用件は、勤務先企業における一般正社員の勤務時間や勤務日数との比較によって決められます。1日、または1週間の所定労働時間が一般正社員の4分の3以上である場合で、かつ1ヶ月の労働日数が、一般社員の4分の3以上出勤している場合は原則として被保険者となります。

具体的には、一般正社員が1日8時間勤務、月20日出勤の会社であれば、パート・アルバイト社員は6時間勤務以上、15日出勤以上で社会保険に加入できます。通称「3/4ルール」と呼ばれるものです(契約期間が2ヶ月以内など、臨時的な雇用関係では社会保険に加入できません)。

2016年10月からは、被保険者数が501人以上の企業に限り、1週間の所定労働時間が20時間以上、月の収入が8万8000円(年収106万円)以上、勤務期間が1年以上見込まれ、学生ではないこと、の4条件を満たすパート・アルバイト社員は上記「3/4ルール」に該当しなくても被保険者の対象となることが決まっています。さらに国は、今後その対象を拡大する考えも持っているようです。

 

配偶者の扶養から外れることも。「130万円」の壁が「106万円」の壁へ。

社会保険の加入ルールが変わることは説明しましたが、法改正によって社会保険料の支払い義務が新たに生じる人もいます。これまで正社員で働く配偶者を持つパート・アルバイト社員の場合、年収が130万円以下であれば配偶者の扶養内であると見なされ、被保険者であるにもかかわらず保険料を負担する必要はありませんでした。それゆえに「年収130万円を超えるより、超えないほうが手取り収入は増える」という逆転現象が起き、収入を130万円以内に抑える人がたくさんいたのです。これが「130万円の壁」と言われるものです。

2016年10月からの改正で、先に述べた新しい社会保険加入ルール(被保険者数が501人以上の企業で、月の収入が8万8000円以上等)の条件に該当するパート・アルバイト社員は、自動的に配偶者の扶養から外れることになります。これまで夫の扶養家族から外れない「130万円の壁」を意識して働いていたパートにとって、「130万円の壁」が「106万円の壁」に変わることで、社会保険に加入しなければいけない可能性が高くなり、単純に手取りが減ってしまうのです。

もうひとつの「壁」として有名なものに「103万の壁」があります。こちらは年収が103万円を超えたら所得税を支払わなければならないということ、さらに配偶者の給与所得から「配偶者控除」が無くなるということから、アルバイト・パートで働く人が給与を抑えるというケースです。しかし、配偶者控除が無くなったとしても配偶者の所得が急激に減ることが無いよう、「配偶者特別控除」という制度があります。配偶者控除と同じく最高38万円まで控除されるため、先の「130万円の壁」と比べてそこまで気にする必要は無いのかもしれません。

 

夫が「会社員」か「自営業」かで収支に差が!?

新しいルールが施行されることで、配偶者が会社員であるか自営業であるかで、負担の増減に大きな差が生じるようになります。配偶者が会社員である場合、扶養から外れれば厚生年金保険料と健康保険料を合わせた支払いが発生するため、新たな負担となります。さらに年金の受け取り額がアップしても、支払った保険料の方が多くなるケースもあります。

一方、自営業の配偶者を持つパート・アルバイト社員は、今までも国民年金保険料を負担してきたため、半額企業負担の厚生年金に加入することで自身の負担額は減る場合が多くなります。さらに、年金給付についても国民年金にそれより支給額の多い厚生年金が加わるため、従来より上乗せ額も多くなるでしょう。

 

働き方はどうすれば良いの?

制度が変わることでパート・アルバイト社員は働き方を考える必要があります。一つ目は老後の年金や社会保障の充実を考え、106万、130万の壁を越えて社会保険に加入して働くこと。二つ目は労働時間を減らし社会保険に入らないように夫の扶養の範囲内で働くことです。ただし、壁を超えないように働いた場合でも、今後も社会保険の適用基準は緩和される方向であることを意識しておくべきでしょう。社会保険に加入すること、加入しないことのどちらかを選択することで、おのずと自分の働き方が見えてくるでしょう。

 

最後に

社会保険に加入することで負担は増えますが、単純に悪いことばかりではありません。これを機に働き方を変えたり、長時間働くなどのキッカケになるほか、社会保険に加入することで得られるものもあります。家族にとって、どのようなスタンスで働くのが良いかしっかりと考えましょう。

 

東洋経済オンライン http://toyokeizai.net/articles/-/97628

 

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